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理事会文書05 / 17 [ Mon ] 10:55 編集

5.12理事会文書公開します

前エントリでお伝えしたとおり、5/11にユニオンWANとWAN理事会は労働争議について和解合意にいたりました。

その翌日5/12付でWAN会員宛に「WAN-NEWS 16号」が配信され、今回の争議解決に関する報告がなされました。

WAN-NEWS 16号

WANを支えてくださっている皆様へ

NPO法人WAN理事会では、ご勤務いただいてきたお二人の雇用問題につき、昨12月から2月まで、両氏および両氏の構成する組合と誠実に協議・団交を重ねてまいりましたが合意に至らず、公正な解決を求めて京都府労働委員会にあっせんをお願いしました(3 月8日付)。今般、あっせんが成立し、5月11日付で両氏に円満退職いただきましたので、ここにご報告いたします。皆様にはこれまでご心配をおかけしましたことをお詫びするとともに、暖かく見守っていただきましたことに改めて御礼申し上げます。

今般のあっせんに関しましては、労働委員会から、労使双方に対し、あっせんでの合意内容や経緯について、第三者に情報を漏洩しないよう、厳に求められておりますので、本メールでは、和解に至ったことのみをお知らせする次第です。NPO会員様には、別途、ご報告させていただきます。

なお、今般の件に関しての情報開示をWAN理事会が極力控えてきた理由につきまして、添付ファイルにてご説明させていただきます。

今般の解決を機として、理事長(牟田和恵)・副理事長(伊田(伊藤)久美子・古久保(冨山)さくら)は辞任し、当面、代行として、中西豊子、荻野美穂・宮本佳子がそれぞれ理事長、副理事長をつとめさせていただきます。

今後ともWANへのご支援をよろしくお願いいたします。

2010年5月12日
NPO法人ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)理事会



そして、「今般の件に関しての情報開示をWAN理事会が極力控えてきた理由」が記された添付ファイルの内容は以下のとおりです。この支援ブログで集計した署名は170以上におよび、賛同者の多くが労働争議に関するWAN理事会側の見解の公開を求めており、2度にわたって理事会に署名を提出したにもかかわらず、それらに対する応答は一切なく、見事に無視されています。

  情報開示に関しての方針---なぜWANサイト上で説明を行わなかったか

今般の雇用問題に関しては、1月以来、組合側から、事実に基づかない一方的な情報が流され、さらに、それにのみ基づいて、第三者によって無責任な情報が流布されるという事態が続きました。WAN理事会は、これらについて、WANの信用性・信頼性をいたずらに傷つけるおそれのある、はなはだ遺憾な事態と認識しておりましたが、あえて、WANサイトその他ウェブ上で、WAN側から反論や説明をおこなうことはいたしませんでした。そのために、皆様には、誤解やご心配をおかけしたことと存じますが、その理由は、おもに、以下の2点でした。

1)労使協議の原則の尊重および労働委員会の指導
労使協議においては、労使双方が公開を合意したこと以外は、公表しないのが原則です。なぜなら、協議は、互いが歩み寄り一致点を見つけることが目的ですが、それ以前に争点になっていることについて、公開で、自分たちの立場から相手方を一方的に批判非難したりすれば、なおさらに事態は紛糾し、歩み寄りが困難になる恐れが大いにあるからです。しかも、そのような批判非難の応酬は、双方が属する組織の信頼信用をいたずらに傷つけることにもなりかねず、労使双方にとって、きわめてマイナスです。協議を円滑に進行させ問題の解決をはかるには、互いが、誠意をもって、節度ある態度を守ることが何よりも重要です。この見地から、とくに、労働委員会あっせんでは、事案の内容について第三者には情報を流さないことが双方に厳格に求められています。

言うまでもなくWAN理事会は、正当な批判は真摯に受け止めますが、今般、組合側が、協議が始まって間もなくから、一方的で事実に反することを含む、WANの信用を傷つけるような情報を盛んに流布させたことは、その範囲を超え、WANサイトおよび法人の信用や信頼を毀損し、労使の信義則に反し協議の進行を妨げることでした。しかし、だからといって、それらに対抗することは、自衛のための反論・発言であるとしても、理事会側が同様の信義則違反を行ってしまうことになります。したがって、責任あるNPO法人として、そうしたことを行うわけにはいかないと自重する判断をしました。

あっせん事案についての情報守秘の求めは、あっせん終了後も適用されますが、組合は、あっせん終了後さっそく、労働委員会の求めに反し、しかも事実と異なる情報をウェブ上に公開し、そのような行為をさらに続けていくことを明言しています。理事会は、これを非常に遺憾に思いますが、理事会としては、労働委員会の求めを遵守する所存です。

2)WANのウェブについてのポリシー
WANは、ウェブを通じて女性の活動をつなぎ、女性をエンパワーすることをめざして、まだまだ不十分ながら活動していますが、そもそもその出発点は、女性たちにとってインターネットが安心できないもので、女性を遠ざけてしまっている状況にあります。とくにジェンダー・フェミニズム関係については、バッシング側の歪曲された情報が蔓延し、声を上げようものなら、ネット上の暴力と言っていいくらいの攻撃が浴びせられ、本来女性たちの力となるべきインターネット上での女性の発信力が弱くならざるをえない実態を変える一助となりたいと、WANは発足しました。

そうしたポリシーをもつWANにとって、WANサイトは、活発で多様な声が反映されながらも、誰も必要以上の批判をされたり攻撃されたりすることのない、安心してアクセスできる場であることが第一の特長であるべきと考えています。とくにネット上の発言は、生身での語り合いとは異なって、意図したニュアンスが必ずしも伝わらず、ディスコミュニケーションを生みやすい特徴があります。しかも、インターネットは「誰にでも開かれたメディア」でもありうる反面、技術上・時間上の利点を持つ者が多く発言の機会を行使して圧倒的な「強者」にもなりえる側面もあります。そうしたことから、ネットでの「論戦」は、対等で生産的な議論を生むのが難しく、「怖い」ものとして、多くの女性たちを遠ざけてきたのではないでしょうか。

WANが今般の雇用問題について、WANサイトを用いて情報発信をしたならば、WANの信用を守る自衛のためであっても(だからこそ)、どうしても、意見の対立を明らかにし、「論戦」を招くことになったでしょう。それは、安心できるネット環境をめざすWANにとって、決して望むことではなく、しかも、WAN法人の雇用問題は、NPO会員の皆様はじめ関心を持っていただいている方には有意な情報であっても、より多くの一般ユーザーの方には、無用・不要のことで、WANサイトが「紛争の場」であるかのような印象をいたずらに与えてしまうおそれがあります。1)の事情に加え、こうした考え方から、理事会では、なぜWANはサイトで雇用問題について説明しないのか、とのご要望やご批判を承知しながら、控える判断をしました。

とはいえ、インターネットをめぐる状況は多様で、しかも「日進月歩」をはるかに上回るスピードで変化します。ですので、このような私どものWANのポリシーを「ベスト」と考えているのではありませんし、変化する環境にふさわしいものに変え適用していかねばならないと考えております。

今後ともWANへのご支援をよろしくお願いいたします。

2010年5月12日
NPO法人ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)理事会



WAN理事会が貼付ファイルの文書で述べた「情報開示に関しての方針」は、2点ともすんなりと納得のいくものではありません。この件も含めて、6/6(日)に行われる集会で詳細に検討したいと思っています。
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