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イベント報告11 / 17 [ Wed ] 01:47 編集

日本女性学会大会で開催されたワークショップ企画のレポート

去る6月20日(日)に大阪・ドーンセンターで開催された日本女性学会大会のワークショップ企画「フェミニズム運動や研究組織における非正規・無償労働問題を問い直す」について、マサキチトセさんのまとめたレポートが日本女性学会「学会ニュース 第120号」(2010年10月発行)に掲載されました。その内容を、以下に再掲載します。

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●WAN労働争議をきっかけとしたワークショップを女性学会で開催しました

ウィメンズ・アクション・ネットワーク(WAN)の労働争議をきっかけとする当WSではミヤマアキラ、清水晶子、斉藤正美が論点を提示し、ディスカッションを行った。

ミヤマはフェミニズムにおける平場主義やシスターフッドの幻想が権力関係を隠蔽するとし、指揮系統の不備や不透明な雇用者責任及びシャドーワークの低評価を指摘した。清水は、特にフェミニズムやジェンダー研究で恒常的な資金不足があり「大物を呼ぶ」時でもない限り人手に割ける資金がなく、さらに若手研究者の就職難から「将来役に立つかもしれない」と積極的に無理のある労働をしてしまう状況が生まれやすいと指摘した。斉藤は、研究と運動が(賃労働とボランティア労働が混在する)公共的NPOとなる際に学問的キャリアの問題がその現場で抑圧的に働く可能性、および労働に対する「オルタナティブ」として全面的にボランティア労働へと移行することの問題性に言及した。

ディスカッションでは「雇用者/被雇用者という関係を温存して労働形態だけをオルタナティブにするのは問題がある」「女性学会という場でこそ考える必要がある問題だ」「賃労働にも問題はあるが無償労働はもっと問題だ」「トップダウンな意思決定プロセスを何とかするべきでは」「内部批判が仲間割れと思われ、沈黙させられるのは、いつも団体の周縁に追いやられている人々」など今後の議論への発展性の高い意見がたくさん出た。
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関連リンク08 / 04 [ Wed ] 13:35 編集

「非営利団体や市民運動における雇用や無償・ボランティア労働を考えるーユニオンWANの事例から」集会報告

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恫喝訴訟05 / 23 [ Sun ] 00:44 編集

迷走! WAN理事会、恫喝訴訟*を予告!?【転送転載歓迎】

同タイトルの最新エントリが、非営利団体における雇用を考える会(仮)― WAN争議を一争議で終わらせない ― にさきほどアップされました。転送転載歓迎とのことなので、こちらに全文を掲載します。

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WAN争議ご注目のみなさま

既報のとおり、理事会からの以下の3点についての謝罪と、私たちにとってごく少額の解決金の支払いをもって、ユニオンWAN組合員2名が「円満退職」することで合意し、2010年5月11日、WAN争議は終結しました。

①平成21年[ママ]12月に組合員遠藤礼子の仕事を外したこと、その後、事務所の閉鎖及び突然の2人の退職勧奨に至ったこと
②それらのことについて組合及び組合員と事前に相談、協議がなく実施したこと
③これまでの労使のやり取りの中で組合に対して不適切な言動があったこと

このような解決に至ることが出来たのも、ひとえに、みなさまのご支援のおかげです。ありがとうございました。

WAN 理事会は、それまで、このような謝罪を一切拒否してきていました。ここで、どのような心境の変化で謝罪する気になったにせよ、WAN理事会が、最終的に悪かったことを悪かったと認め謝罪したことを、ユニオンWANは高く評価しています。

ところが、あろうことか、WAN理事会は、5月17日付けで、今回の謝罪の①②は、これまでも繰り返し謝罪してきたものであるとして、私たちが「【速報】WAN争議解決【勝利和解】」で、今回始めてこのような謝罪があったと書いたこと等が、WAN理事会の社会的評価を貶める名誉毀損であると主張、同記事の即刻削除等をしなければ「断固たる法的手段を執る」とする、内容証明郵便物を送りつけてきました。
ご存知の通り、WAN理事会が、5 月11日以前に「謝罪」したのは「経営と雇用についての見通しの甘さがあったこと」といったものばかりで、争点に関して謝罪はおろか説明にすらなっていないようなものだけです。

WAN理事会の今回の謝罪は、WAN理事会の社会的評価を上げこそすれ、下げることはありません。今回送られた内容証明郵便物を読むと、WAN理事会が、今回の謝罪をなかったことにしようとしているかのように見えますが、もしそうだとすれば非常に残念なことです。

また、この内容証明郵便物は、私たちの言論活動を萎縮させるための、恫喝のようにも見えます。もしそうだとすれば、このような恫喝で萎縮するユニオンWAN ではないのに、なめられたものです。(だって歌にもあるでしょう?「ゆにおんわんわん、黙らせれない~♪」)

みなさまのご支援で、勝利和解にこぎつけられた矢先に、再度のお願い、たいへん心苦しいのですが、いまひとつの、ご支援、ご声援、よろしくお願いします。

ユニオンWAN 遠藤礼子&カサイ
uwanアットprecariato.info

参考
5/17 内容証明郵便物(理事会代理人弁護士→遠藤礼子)

5/22 それに対する回答(ユニオンWAN→WAN理事会)


【お知らせ】ユニオンWANが東京へ参ります
6/4 @高円寺 「映像とお話の会:非正規労働者の乱」

6/6 @田町/三田 「非営利団体や市民運動における雇用や無償・ボランティア労働を考える~ユニオンWANの事例から」

* 「恫喝訴訟 SLAPP」について知りたい方は、検索すると色々出ます

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理事会文書05 / 17 [ Mon ] 10:55 編集

5.12理事会文書公開します

前エントリでお伝えしたとおり、5/11にユニオンWANとWAN理事会は労働争議について和解合意にいたりました。

その翌日5/12付でWAN会員宛に「WAN-NEWS 16号」が配信され、今回の争議解決に関する報告がなされました。

WAN-NEWS 16号

WANを支えてくださっている皆様へ

NPO法人WAN理事会では、ご勤務いただいてきたお二人の雇用問題につき、昨12月から2月まで、両氏および両氏の構成する組合と誠実に協議・団交を重ねてまいりましたが合意に至らず、公正な解決を求めて京都府労働委員会にあっせんをお願いしました(3 月8日付)。今般、あっせんが成立し、5月11日付で両氏に円満退職いただきましたので、ここにご報告いたします。皆様にはこれまでご心配をおかけしましたことをお詫びするとともに、暖かく見守っていただきましたことに改めて御礼申し上げます。

今般のあっせんに関しましては、労働委員会から、労使双方に対し、あっせんでの合意内容や経緯について、第三者に情報を漏洩しないよう、厳に求められておりますので、本メールでは、和解に至ったことのみをお知らせする次第です。NPO会員様には、別途、ご報告させていただきます。

なお、今般の件に関しての情報開示をWAN理事会が極力控えてきた理由につきまして、添付ファイルにてご説明させていただきます。

今般の解決を機として、理事長(牟田和恵)・副理事長(伊田(伊藤)久美子・古久保(冨山)さくら)は辞任し、当面、代行として、中西豊子、荻野美穂・宮本佳子がそれぞれ理事長、副理事長をつとめさせていただきます。

今後ともWANへのご支援をよろしくお願いいたします。

2010年5月12日
NPO法人ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)理事会



そして、「今般の件に関しての情報開示をWAN理事会が極力控えてきた理由」が記された添付ファイルの内容は以下のとおりです。この支援ブログで集計した署名は170以上におよび、賛同者の多くが労働争議に関するWAN理事会側の見解の公開を求めており、2度にわたって理事会に署名を提出したにもかかわらず、それらに対する応答は一切なく、見事に無視されています。

  情報開示に関しての方針---なぜWANサイト上で説明を行わなかったか

今般の雇用問題に関しては、1月以来、組合側から、事実に基づかない一方的な情報が流され、さらに、それにのみ基づいて、第三者によって無責任な情報が流布されるという事態が続きました。WAN理事会は、これらについて、WANの信用性・信頼性をいたずらに傷つけるおそれのある、はなはだ遺憾な事態と認識しておりましたが、あえて、WANサイトその他ウェブ上で、WAN側から反論や説明をおこなうことはいたしませんでした。そのために、皆様には、誤解やご心配をおかけしたことと存じますが、その理由は、おもに、以下の2点でした。

1)労使協議の原則の尊重および労働委員会の指導
労使協議においては、労使双方が公開を合意したこと以外は、公表しないのが原則です。なぜなら、協議は、互いが歩み寄り一致点を見つけることが目的ですが、それ以前に争点になっていることについて、公開で、自分たちの立場から相手方を一方的に批判非難したりすれば、なおさらに事態は紛糾し、歩み寄りが困難になる恐れが大いにあるからです。しかも、そのような批判非難の応酬は、双方が属する組織の信頼信用をいたずらに傷つけることにもなりかねず、労使双方にとって、きわめてマイナスです。協議を円滑に進行させ問題の解決をはかるには、互いが、誠意をもって、節度ある態度を守ることが何よりも重要です。この見地から、とくに、労働委員会あっせんでは、事案の内容について第三者には情報を流さないことが双方に厳格に求められています。

言うまでもなくWAN理事会は、正当な批判は真摯に受け止めますが、今般、組合側が、協議が始まって間もなくから、一方的で事実に反することを含む、WANの信用を傷つけるような情報を盛んに流布させたことは、その範囲を超え、WANサイトおよび法人の信用や信頼を毀損し、労使の信義則に反し協議の進行を妨げることでした。しかし、だからといって、それらに対抗することは、自衛のための反論・発言であるとしても、理事会側が同様の信義則違反を行ってしまうことになります。したがって、責任あるNPO法人として、そうしたことを行うわけにはいかないと自重する判断をしました。

あっせん事案についての情報守秘の求めは、あっせん終了後も適用されますが、組合は、あっせん終了後さっそく、労働委員会の求めに反し、しかも事実と異なる情報をウェブ上に公開し、そのような行為をさらに続けていくことを明言しています。理事会は、これを非常に遺憾に思いますが、理事会としては、労働委員会の求めを遵守する所存です。

2)WANのウェブについてのポリシー
WANは、ウェブを通じて女性の活動をつなぎ、女性をエンパワーすることをめざして、まだまだ不十分ながら活動していますが、そもそもその出発点は、女性たちにとってインターネットが安心できないもので、女性を遠ざけてしまっている状況にあります。とくにジェンダー・フェミニズム関係については、バッシング側の歪曲された情報が蔓延し、声を上げようものなら、ネット上の暴力と言っていいくらいの攻撃が浴びせられ、本来女性たちの力となるべきインターネット上での女性の発信力が弱くならざるをえない実態を変える一助となりたいと、WANは発足しました。

そうしたポリシーをもつWANにとって、WANサイトは、活発で多様な声が反映されながらも、誰も必要以上の批判をされたり攻撃されたりすることのない、安心してアクセスできる場であることが第一の特長であるべきと考えています。とくにネット上の発言は、生身での語り合いとは異なって、意図したニュアンスが必ずしも伝わらず、ディスコミュニケーションを生みやすい特徴があります。しかも、インターネットは「誰にでも開かれたメディア」でもありうる反面、技術上・時間上の利点を持つ者が多く発言の機会を行使して圧倒的な「強者」にもなりえる側面もあります。そうしたことから、ネットでの「論戦」は、対等で生産的な議論を生むのが難しく、「怖い」ものとして、多くの女性たちを遠ざけてきたのではないでしょうか。

WANが今般の雇用問題について、WANサイトを用いて情報発信をしたならば、WANの信用を守る自衛のためであっても(だからこそ)、どうしても、意見の対立を明らかにし、「論戦」を招くことになったでしょう。それは、安心できるネット環境をめざすWANにとって、決して望むことではなく、しかも、WAN法人の雇用問題は、NPO会員の皆様はじめ関心を持っていただいている方には有意な情報であっても、より多くの一般ユーザーの方には、無用・不要のことで、WANサイトが「紛争の場」であるかのような印象をいたずらに与えてしまうおそれがあります。1)の事情に加え、こうした考え方から、理事会では、なぜWANはサイトで雇用問題について説明しないのか、とのご要望やご批判を承知しながら、控える判断をしました。

とはいえ、インターネットをめぐる状況は多様で、しかも「日進月歩」をはるかに上回るスピードで変化します。ですので、このような私どものWANのポリシーを「ベスト」と考えているのではありませんし、変化する環境にふさわしいものに変え適用していかねばならないと考えております。

今後ともWANへのご支援をよろしくお願いいたします。

2010年5月12日
NPO法人ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)理事会



WAN理事会が貼付ファイルの文書で述べた「情報開示に関しての方針」は、2点ともすんなりと納得のいくものではありません。この件も含めて、6/6(日)に行われる集会で詳細に検討したいと思っています。

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関連リンク05 / 12 [ Wed ] 08:03 編集

WAN争議、勝利和解しました!

さきほど入った情報です。昨日5/11付けで、WAN理事会とユニオンWANは和解しました。

【速報】WAN争議解決【勝利和解】

当該が泣き寝入りせざるを得ない労働争議が多いなか、今回の勝利和解は快挙と言っても過言ではありません。遠藤さん、カサイさん、本当にお疲れさまでした。そして、署名にご協力くださったみなさま、ありがとうございました。

6/6(日)には「非営利団体や市民運動における雇用や無償・ボランティア労働を考える~ユニオンWAN の事例から」と題した集会が開かれますが、正直言って、この集会までに解決にいたるとは予想していませんでした。おふたりの勝利を祝うとともに、今回の争議の流れや争議を勝利に導くポイントなどをうかがいたいと思います。みなさまもぜひご来場ください。

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